余った灯油を安全・簡単に処分する方法


寒い冬が終わると、石油ストーブなどの暖房器具も不用になります。その変化に伴って、暖房器具の燃料として使っていた灯油が余ってしまうこともあるでしょう。灯油は可燃性の液体です。扱いには細心の注意が求められるため、処分方法を迷っている方も少なくないと思います。いったいどのようにすれば、安全に灯油を処分することができるのでしょうか。

  1. やってはいけない灯油の処分方法
  2. 少量の灯油を安全に処分する方法
  3. 大量の灯油を安全に処分する方法

1.やってはいけない灯油の処分方法

いい加減な処分方法で灯油を捨てると、事故や火災の原因になりかねません。まずは「この方法だけはやってはいけない」と断言できる、危険な処分方法をご紹介します。安全のために、この章で紹介する方法にと似たやり方で灯油を捨ててしまわないよう注意してください。

1-1.新聞紙や布に染みこんだ状態で捨てる

サラダ油やオリーブオイルのような、食用油を処分する方法としてよく知られているのがこの方法です。しかし、灯油を食用油と同じように処分するのは避けてください。

サラダ油の引火点が240℃なのに対して、灯油の引火点は35~50℃と大変低くなっています。灯油はサラダ油よりも蒸発しやすく引火しやすいため、紙や布に染み込んだ状態でも安全に処分することはできません。

1-2.びんに入れて燃えるゴミに出す

使い終わったサラダ油のびんなどに灯油を入れて、自治体の燃えるゴミ回収に出す方がたまにいますが、この方法も大変危険です。

すでに述べたとおり、灯油の引火点は非常に低く、また常温でも簡単に蒸発を始めてしまいます。蒸発した灯油のそばに火種となるものがあれば、すぐにも燃焼を始めてしまうでしょう。仮に容器を密閉しておいたとしても、収集の過程で破損し、灯油が流れだす可能性は決して低くはありません。もし万が一、何らかの原因で灯油が燃焼し、火災事故につながったとしたら、損害賠償を請求されてしまう可能性もあります。ゴミ収集に当たる方にとっては生命の安全にもかかわることなので、決して軽く考えないでください。

1-3.下水道に流す

トイレや流しの排水口などから、下水に流してしまおうと考える方もいるでしょう。この方法もやってはいけない処分方法のひとつです。

下水に灯油を流すことは、環境破壊の原因となります。環境破壊は巡り巡って必ず自分の身にその被害が返ってくるので、避けるようにしてください。

また、下水に流した灯油は、簡単にとることができません。排水口内にこびりつけば掃除も面倒になってしまうでしょう。嫌な匂いが立ち上り、日常生活に支障をきたしてしまうことも考えられます。水回りだからといって、火事の原因になるはずがないと油断しないようにしましょう。

2.少量の灯油を安全に処分する方法

この章からは、安全に灯油を処分する方法をご紹介します。最初に、ほんの1リットルにも満たない少量の灯油が余ってしまった場合の処分方法をご説明しましょう。

2-1.次の冬まで保管する

この方法は、最もシンプルな手段です。使う理由がなくなってしまったから使わないのであって、余った灯油が使えなくなってしまったわけではありません。安全に保管しておけば、来年また暖房器具の燃料として使うことができるでしょう。

このとき、注意しなければならないことがあります。よく灯油を入れるのに使用されている、プラスチックなど樹脂製の容器に入れて保管してはいけません。

樹脂製の容器は、一時的に灯油を入れておくには便利ですが、長期の保管には不向きです。灯油は時間とともに徐々に品質が劣化していくため、樹脂製容器に入れて保存しておくと、翌年は使用に耐えない品質になってしまうことも考えられます。長期間の保存に適した金属製の容器を使用しましょう。

2-2.日常的に灯油を使っている人にあげる

仕事などで、暖かい季節も灯油を使っている人に余った灯油をあげるのもいい方法です。まだ使用できる灯油を捨てるより、必要としている人に使ってもらえたほうが資源の有効活用につながります。

「日常的に灯油を使っている人」といっても簡単には思い浮かばないかもしれません。例を挙げると、自動車整備工場やバイク屋さんでは普段から灯油を使っています。部品の洗浄を行うのに必要だからです。近所に顔見知りの自動車整備工場の方や、行きつけのバイク屋さんがあるようなら、余った灯油を引き取ってくれないかたずねてみるといいでしょう。

2-3.ストーブをたいて使い切る

余った灯油がごく少数なら、燃焼して使い切ることもできます。ただし、燃焼するといっても灯油に直接火をつけるのは危険です。暖房器具をつけ続けて自然に使い切るようにしましょう。

たとえば、窓を開け放った状態で30分から数時間、石油ストーブを使えば、少量の灯油は短時間でなくなります。「そろそろストーブもいらなくなるかな?」と思う時期がきたら、使う灯油の量をあらかじめ調整しておくといいでしょう。

3.大量の灯油を安全に処分する方法

灯油が簡単に処分できるほどの量ではなく、たくさんある場合はもっと別の方法で処分することをおすすめします。個人で処分するのは困難なので、業者を通じて処分してもらいましょう。

3-1.ガソリンスタンドに持ち込む

もっとも手軽な方法は、ガソリンスタンドに持ち込むことです。「不用になったので引き取って処分してほしい」と理由を話せば、断られることはまずないでしょう。無料で引き取ってくれるもあれば、有料で回収しているところもあります。余計な出費を控えるためにも、あらかじめ確認してから持ち込むようにしてください。

セルフ式のスタンドでは、店員がいないことがあるので回収を頼めないこともあります。店員が給油サービスをしている店舗を選ぶと、持ち込みがスムーズに済むでしょう。

3-2.灯油販売業者に依頼する

ガソリンスタンド以外だと、灯油販売業者も不用な灯油を引き取ってくれるところです。冬の間、灯油の宅配を依頼している方は、同じ業者にたずねてみるといいでしょう。

「業者には頼んでいるけど、宅配だからいつ頼んだらいいかわからない」という方は、普段の支払い明細書をチェックしてみてください。業者の店舗があるところを明記してあるはずなので、その場所に持ち込めばOKです。

3-3.不用品回収業者に依頼する

「普段車に乗らないからガソリンスタンドに縁がない」「大量の灯油を自分で業者まで持ち運ぶのは大変」という方は、不要品回収業者に回収を依頼するのもいいでしょう。不要品回収業者というと、形あるものばかりしか回収してくれないようなイメージがありますが、余った灯油を回収してくれる業者もあります。

不要品回収業者に依頼するメリットは、自宅まで回収にきてくれる点です。灯油のように危険な液体を大量に運搬するのは、素人にとって怖いもの。運搬の手間も省けますし、自宅まで取りにきてくれるかどうか確認してみるといいでしょう。

まとめ

可燃性であるため、灯油を処分するためには万全を期さなければなりません。避けたほうがいい危険な処分方法と、量に合わせた安全な処分方法をご紹介してきましたが、いかがだったでしょうか。

  1. やってはいけない灯油の処分方法
  2. 少量の灯油を安全に処分する方法
  3. 大量の灯油を安全に処分する方法

冬の終わりが近づき「灯油がいらなくなるな」と感じたら、徐々に備蓄している灯油の量を減らしていきましょう。処分する量が少ないほうが、より安全・簡単に捨てることができます。


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