8050問題の解決策を知る! 必要な支援を受けることが早期解決の鍵!


「8050問題の解決策を知りたい」「なぜこのような問題が起こるのか?」という人は多いでしょう。昨今、引きこもりの中高年が絡む事件が注目を集めています。これまでも中高年の引きこもり問題は何度となく取り上げられてきましたが、心を痛める事件が続き、早急に解決策を考えなければならなくなってきているのです。

この記事では、8050問題の現状や問題を防ぐための対策・国による支援などについて詳しくご紹介しましょう。

  1. 8050問題の現状
  2. 8050問題が起こる原因は?
  3. 8050問題を防ぐ対策
  4. 8050問題以外に起きている問題
  5. 厚生労働省の対策や支援を紹介
  6. 8050問題に関するよくある質問

この記事を読むことで、中高年が引きこもる原因や、自立を目指すために家族ができることなどが分かるはずです。ぜひ参考にしてください。

1.8050問題の現状

まずは、8050問題の概要や現状について解説しましょう。

1-1.年老いた親が引きこもりの子の面倒を見ること

8050問題とは、80代の年老いた親が、引きこもりである50代の子の面倒を見ているという問題のことをいいます。ここでいう「引きこもり」とは、働きもせず、結婚もせず、社会から完全に孤立した状態のことです。「自室からほとんど出ない」という人もいれば、「近所に出かけることはある」という人もいます。

1-2.中高年の引きこもりは約61万人

「引きこもり」と聞くと若者特有のものというイメージがありますが、現在、40~64歳の中高年で引きこもりの人は全国に約61万人いることが分かっています。しかし、親が子の引きこもりを隠しているケースや、自分が引きこもりだということを認めていない人もいるため、実際にはもっと多いことが推測できるでしょう。

1-3.中高年の引きこもりが絡む痛ましい事件も

今、8050問題が再び注目されているのは、中高年の引きこもりが絡んだ痛ましい事件が続けざまに発生したことに原因があります。引きこもり生活を続けていた50代の男性が起こした無差別殺人事件、そして、家庭内暴力に悩み、引きこもりの長男を父親が殺害した事件です。こうした事件を背景に、中高年の引きこもり対策について再度考えてみる必要性が出てきました。

2.8050問題が起こる原因は?

8050問題の原因には、大きく分けて以下のような2つのパターンが考えられます。

2-1.若いころに引きこもったままの状態が続いている

1つ目が、社会に出る前の若いころから引きこもりを続けているケースです。学生時代に人間関係に悩んだりいじめにあったりしたことが原因の場合が多いでしょう。学校に行けなくなったまま引きこもり、働きに出ることもなく、中高年になるまで過ごしてきてしまったのです。

2-2.一度社会に出てつらい目にあったことが原因の場合も

もう1つは、一度社会に出てから引きこもりになったケースです。過重労働やパワハラ・職場での人間関係に悩み、精神を病んでしまった経験がある人も多くなっています。また、病気がきっかけで休職し、そのまま会社に行けなくなった人も少なくありません。

3.8050問題を防ぐ対策

8050問題を防ぐために、私たちができる対策にはどのようなものがあるのでしょうか。

3-1.引きこもりに対する意識を変える

「引きこもりは悪いこと」「なくさなければならないもの」というように、引きこもりに対する社会のイメージは劣悪なものです。親をはじめ、周囲の人たちが引きこもっている人を腫れもの扱いすることこそが、本人たちのプライドを傷つけ、被害者意識を増長させているということに気づかなければなりません。引きこもるようになった原因は人それぞれです。どんな対策をしても効果がない人もたくさんいます。そのため、「引きこもりをなくす」というよりも、「年老いた親が面倒を見なければならない社会」を変えることが大切なのです。

3-2.問題を長期化しないために相談することも大切

引きこもりの中高年が社会復帰できれば、8050問題は解決します。しかし、会社勤めをすることだけが「社会復帰」ではありません。たとえば、自宅にいながら、誰にも会わずにできる仕事もあるのです。そのような「本人に合った対策」を考えるためにも、専門の機関へ早めに相談することが望ましいでしょう。世間体を気にして子供の引きこもりを隠していては、いつまでたっても問題は解決しません。家族だけで抱え込もうとすることこそが、8050問題を深刻化させる原因になっているのです。

4.8050問題以外に起きている問題

少子高齢化を背景に起きているのは、8050問題だけではありません。ほかにも以下のような問題が深刻化しています。

4-1.老老介護

老老介護とは、高齢者が高齢者を介護している状態のことをいいます。体の自由がきかなくなってくる高齢者が介護する側に回ることは、肉体的にも精神的にも負担が大きすぎるでしょう。実際に、共倒れ状態に陥っている家庭も少なくありません。

4-2.認認介護

認知症の人が認知症の要介護者を介護している状態を認認介護と呼びます。介護する側も認知症を患っているため、適切な介護ができているか分かっていないこともあるのです。生活が維持できなくなり、事件や事故に発展するケースも珍しくありません。

4-3.9060問題

9060問題とは、90代の親が60代の子の面倒を見ることをいいます。つまり、8050問題がさらに発展した状態のことです。親だけでなく子も介護が必要な状態になる場合もあり、仕事に就くこともますます難しくなってきます。そのまま老老介護や認認介護の状態に陥る可能性も十分にあるでしょう。

5.厚生労働省の対策や支援を紹介

厚生労働省は深刻化する8050問題の対策として、2009年に「引きこもり対策推進事業」を創設しました。全国の自治体に「引きこもり地域支援センター」を設置し、自立への支援を行っています。引きこもりに特化した相談窓口であることを明確にし、本人や家族からの電話相談や、訪問支援などに力を入れているのが現状です。医療機関やハローワーク・福祉施設など関係機関との連携を図ったうえで引きこもり対策を行っているため、問題の早期解決が期待できるのではないでしょうか。

6.8050問題に関するよくある質問

「8050問題について知りたい」という人が感じる疑問とその回答をまとめました。

Q.引きこもりになるきっかけとして多いのはどのような問題でしょうか?
A.調査の結果では、「不登校」と「退職」が引きこもりのきっかけとして多いことが分かっています。

Q.  引きこもりが社会問題化したのはいつごろですか?
A.1990年代ごろといわれています。若者特有の現象として扱われていましたが、約30年が経過し、当時の若者が50代に、親が80代になり、8050問題と呼ばれるようになったのです。

Q.中高年の引きこもりは男性と女性ではどちらが多いのでしょうか?
A.男性が7割を超えていることが分かっています。

Q.8050問題が9060問題に発展する原因は何ですか?
A.家族だけで問題を解決しようとして誰にも相談せず、長期化してしまったことが最大の原因でしょう。

Q.8050問題が解決できなかった場合、最終的にはどうなりますか?
A.面倒を見てくれていた親が亡くなり、子が生活できなくなるという事態に陥ることが推測されるでしょう。

まとめ

8050問題の現状や問題を防ぐための対策・国の支援などについて詳しくご紹介しました。8050問題は、いつ誰が陥ってもおかしくない深刻な問題といえます。問題を解決するためにできる対策にはどのようなものがあるのか、ぜひこの記事を参考に考えてみてください。


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