形見分けとは? 形見分けの時期や注意点など知っておきたい基礎知識


葬儀が終わってある程度落ち着いた時期に行われる形見分けとは、遺族が故人の愛用品などを親戚や友人などに分けて贈ることです。この形見分けは、実は友人や親族間でトラブルに発展する恐れもあるため、どうやったらいいのかと頭を抱えてしまう人は少なくありません。そこで形見分けの時期や注意点などの知っておきたい基礎知識をご紹介しましょう。

目次

  1. 形見分けとは?
  2. 形見分けを行う時期とは?
  3. 形見分けで気をつけたい注意点
  4. 形見分けのトラブル事例
  5. まとめ

1. 形見分けとは?

「形見分け」とは、故人の思い出を故人と親しかった人達と共有するために残された遺族が行うものです。

昔は「親から子へ、先輩から後輩へ贈るもの」とされ、目上の人には贈ってはいけないといわれていました。

しかしながら最近では、親しい間柄であれば誰でも受けとってもいいという風潮が強くなってきたようです。

形見分けされる品物としては、故人の愛用品や愛読書、洋服や着物、アクセサリー、時計などが一般的でしょう。

また将棋や囲碁、釣り道具、茶道具など故人の趣味の道具も対象になります。

形見分けには特にルールはないので、贈る相手の性別や年齢、好みなどに合ったものを贈るとよいでしょう。

受け取った品物を通して故人を忘れることなく思い出を偲ぶことが故人の供養にもつながる…というのが形見分けの目的なのです。

2. 形見分けを行う時期とは?

形見分けには「◯◯日以内」という決まりは特にありません。
一般的に行われる時期は下記の通りです。

・ 仏式の場合

仏式の場合は35日(三十五忌)か49日(四十九日忌)に行うのが一般的です。命日(亡くなった日)を1日目として数えてください。

四十九日までは「忌中」なので故人を偲ぶ時期とされ、誰かに遺品を渡さないほうがいいといわれています。

・ キリスト教の場合

キリスト教の場合は形見分けというしきたりはないのですが、日本では1ヶ月命日の追悼ミサで行うのケースも多く見られます。

・ 神式の場合

仏式と同様に忌明けに行うのですが、仏式とは異なり50日祭の時に行うのが一般的です。

3.形見分けで気をつけたい注意点

形見分けは難しく考えず、基本的には故人を忍んでもらえるような品物を贈ればいいのですが、いくつか知っておきたいことや気をつけたいことがあります。

3-1.形見分けは誰にするのか

一般的にはごく親しい親戚や近親者、友人などが対象になります。会社の同僚などの場合は、よほど親しい関係でない限りはあまり行わないようです。

3-2.形見分け品の選び方

大切なのは形見分け品の選び方でしょう。

選ぶのは故人をよく知っている遺族なのですが、故人の友人の場合、相手がどのようなものを喜んでくれるのかはわかりかねる場合もあります。

そんな時には先方の年齢や性別などを考慮して慎重に選んでください。

スーツやコートなどの衣類の場合はクリーニングに出してから、アクセサリーや時計などはきれいに掃除してから贈りましょう。

また着物を形見分けしたくても着る人がいない場合は、リメイクして巾着やお財布、ポーチなどの小物にして配ることもあるようです。

将棋や囲碁、釣り道具、ゴルフセットなどの趣味の道具は、同じ趣味を持っている人に贈らないと逆に迷惑になってしまうこともあるので気をつけてください。

同様に故人が作った陶芸品や絵画なども趣味の合わない人だと重荷になってしまうので、勝手に先方に押し付けず了解を得てから贈るようにするのが礼儀です。

3-2.形見分けの包装

形見分けの品物はプレゼントではないので、過剰なラッピングは必要ありません。

半紙などの白い紙に包み「遺品」「偲び草」などと表書きをしたものを渡します。

渡す相手が遠方の場合は手渡しは難しいで、宅配便で送っても大丈夫です。

最低限のシンプルな包装(割れ物の場合は緩衝材などを使用する)に表書きをして、その品物と故人の関係などエピソードを書いた手紙を添えて送るようにしてください。

3-3.高価なものは贈与税が派生する

美術品や貴金属、高級ブランドの時計など高価な物は贈与税の対象になってしまうこともあります。

先方が望まない限りは贈らないほうが無難でしょう。

また絵画や骨董品など金額が分からない場合は専門家に鑑定を依頼してください。

※贈与税の派生する金額…1年間に貰った財産の合計が110万円以上

3-3.目上の人に贈る場合は本人に確認を

形見分けは目上の人には贈ってはいけない…という決まりがあった昔と異なり、いまでは故人との関係が深かった場合は形見分けをすることが多いようです。

しかしながら昔ながらのしきたりを重んじる人もいるので、形見分けの品を贈っても差し支えないかを確認してから贈ったほうが良いでしょう。

3-4.遺産の分割は終わらせておく

相続人が多く故人が高価な形見の品を数多く所有している場合は、相続人全員の共有物となります。

まずは遺産分割を終えてから、残った品物を形見として選別するようにしましょう。

3-5.職場の遺品の処分は

故人が会社勤めをしていた場合、ロッカーや机の引き出しにさまざまな荷物が残ってる可能性があります。

遺族が早めに会社に出向いて荷物を整理する必要がありますが、もしその際に親しい同僚に仕事道具などを記念に形見分けして欲しいと望まれたら差し上げてもいいでしょう。

4.形見分けのトラブル事例

故人の意思を直接聞くことができないので、形見分けにはなにかとトラブルがつきまとうこともあります。

よくあるケースをご紹介しましょう。

4-1.家族が勝手に宝石類を持っていく

故人の愛用していたダイヤなどの高価な宝石類を、家族が勝手に形見分けと称して持っていってしまったというケースはよくあります。

故人の遺言があれば別ですが、なにもない場合は他の家族にも相続の権利があるので裁判沙汰になることも少なくありません。

4-2.故人との関係がわからない人から高価な物を請求された

故人との関係がどれほどの深さなのかわからない、故人から話を聞いたことがないのでどのような関係なのかわからない…そんな人から高額な品物を請求されたというケースがあります。

故人の遺産相続人ではない場合は、「これは遺産となり相続人で分配するので」とお断りをしたほうがいいでしょう。

4-3.価値のある品物を勝手に処分されてしまった

本当は価値のあった骨董品や絵画などを、その価値がわからない親族が勝手に廃棄処分してしまったというトラブルもよく耳にするケースです。
このことで親族間で険悪になることも少なくありません。

4-4.形見分けのトラブルを回避するには

形見分けでのトラブルはさまざまですが、これらを回避する方法としては形見分けをする前に品物の分類をして準備をすることが大切なのです。

不用品として廃棄処分にするもの、相続人に分配するもの、形見分けの品物にするものなど遺品を仕分をする必要があります。

葬儀が終わって落ち着いたら、遺品整理をして仕分しておけばいざ形見分けとなった時にもトラブルにならないでしょう。

家具や遺品が多く整理する遺族が少ない場合などは、遺品整理をプロの業者に依頼する方法も広まってきました。

5. まとめ

いかがでしたか?

故人の葬儀が終わり、いざ形見分けをしなければならない時になるとどうしていいのか迷ってしまうものです。

ここでは、

  1. 形見分けとは?
  2. 形見分けを行う時期とは?
  3. 形見分けで気をつけたい注意点
  4. 形見分けのトラブル事例

など、形見分けに関して知っておきたい基礎知識をご紹介しました。

形見分けは何度も経験しているので慣れているという人などいないので、誰でも戸惑ってしまうものです。

ひとしきり落ち着いたら、相続の対象となるもの、不用品として廃棄処分するもの、形見分けとして皆に贈るものの三つに仕分けをしてから誰に何を贈るかを決めたほうがスムーズに進むでしょう。

もし遺品があまりにも多くて自分では整理ができないようなら遺品整理のプロに依頼する方法も考えてみてはいかがですか?

いつまでも故人を忍んでくれる人達にふさわしい最適な品物を渡す形見分けが無事に終わりますように願っています。


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